所得税法改定案などへの清水議員の反対討論(201-衆-本会議2020/2/28)
日本共産党の清水忠史議員が28日の衆院本会議で行った所得税法改定案などへの反対討論の要旨は次の通りです。
新型コロナウイルス感染拡大防止と医療体制拡充の思い切った財政措置が必要です。経済活動を自粛した企業や仕事を休まざるを得ない保護者への支援は欠かせません。貸付金利引き下げや雇用調整助成金の非正規労働者への適用など大胆な支援を要請します。
来年度予算案で、消費税が所得税を抜き国の一番多い税収項目となった一方、法人税収入は消費税の半分程度にとどまり、資本金10億円以上の大企業の法人税収入はこの7年間全く増えていません。
財務省作成資料で、資本金が多い企業ほど租税特別措置や配当益金不算入などの優遇税制の適用割合が大きいと判明。23・2%の法人税率に対し、資本金100億円を超える大企業の実質負担割合は13%にすぎず、営業利益が伸びても税負担は増えず、あまりに不公平です。
ベンチャー企業への投資を促進するオープンイノベーション減税が創設されましたが、企業は利益になれば減税制度がなくても進んで投資します。投資余力のある大企業にこれ以上の政策減税の必要は全くありません。
5G導入促進減税は大手通信キャリアへの大減税策ですが、各社もほぼ寡占状態の携帯事業で巨額の利益を上げており、さらなる減税には反対です。
ソフトバンクグループが利用した租税回避手段に防止措置が取られましたが、大本にある外国子会社からの配当等益金不算入制度こそ廃止すべきです。子会社所在地国の税率が日本より低い場合、その差額は課税されず、合法的税逃れに利用されています。
研究開発減税や連結決算納税制度など、大企業優遇税制はただすべきです。
企業版ふるさと納税の延長と拡充は自治体への寄付について税の軽減効果を9割に引き上げ、企業と自治体の癒着を生み出します。東京電力が原発立地自治体で利用している実態からも明らかです。
非婚・離婚・死別を区別しない、ひとり親控除の創設は前進ですが、最初にわが党の簑輪幸代議員が要望してから39年。あまりにも遅すぎ、男性や非婚女性に適用されないケースが残存し、全面的解決が求められます。
所得の少ない母子世帯には、ひとり親控除の恩恵がなく、非婚の母子世帯など家計が赤字の世帯に消費税が重くのしかかる実態を政府は直視すべきです。
低迷する日本経済と国民生活を立て直すために、政府はただちに消費税5%への減税を決断すべきです。(2020/3/1赤旗)