国会質問データ

198-衆-地方創生に関する特別委員会(2019/4/25)

[国会質問データ]2019/05/29 更新

地方分権一括法案を可決 衆院委

清水議員が反対討論

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(写真)討論に立つ清水忠史議員=25日、衆院地方創生特別委

 地方自治体への「権限移譲」などによる規制緩和を図る政府の第9次地方分権一括法案が25日、衆院地方創生特別委員会で自民、公明両党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は立憲民主党と国民民主党が提出した修正案に賛成し、政府原案に反対しました。

 共産党の清水忠史議員は採決に先立つ討論で、放課後児童クラブの支援員配置基準(現行=原則2人以上)を「参酌(さんしゃく)する基準」への緩和は、子どもの安全に対する国の責任を放棄するものだと厳しく批判。現行基準は学童保育発展の全国的運動を受けて初めて設けられた基準であり、基準を参酌化する法案は「断じて認められない」と表明しました。

 また、公民館などの教育委員会所管の公立社会教育施設に関する事務を地方自治体の首長部局に移管することを可能とすることで、社会教育行政の政治的中立性が崩され、首長の意向で施設の設置、廃止が左右されるなど社会教育行政がゆがめられかねないと訴えました。

 清水氏は、本来は個別法案として所管委員会で審議すべき多岐にわたる内容を一括法案として提出する手法自体に反対しました。(赤旗2019/4/26)

議事録

○清水委員 私は、日本共産党を代表して、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案に反対の討論を行います。
 第一は、放課後児童健全育成事業における放課後児童支援員の配置基準の条例化に当たって、従うべきとしていた基準を参酌する基準に緩和することです。
 放課後児童支援員を原則二名以上配置することは、子供の命を守り、安全、安心できる生活の場を全国的に一定水準の質で確保するために必要不可欠なものであり、よりよい学童保育を発展させようと、全国の運動もあって、二〇一五年四月に初めて設けられたものです。
 放課後児童支援員は、社会福祉施設等の配置基準で最後に残された従うべき基準であり、子供の安全に対する国の責任を放棄する本法案は、断じて認められません。
 第二に、教育委員会所管の公立社会教育施設に関する事務を地方自治体首長部局に移管させることを可能にすることは、社会教育行政の政治的中立性が崩されかねず、地域住民の自主性、自発性が阻害されかねません。
 社会教育施設は、行政による教育内容への不当な介入や首長への権限集中を防止し、教育の自主性と地域住民に対する直接的責任、中立的、専門的な行政運営を担保するため、一般行政から独立した行政委員会である教育委員会が所管することとされています。首長部局が社会教育施設を所管できるようになれば、その時々の首長の意向で社会教育施設の設置、廃止が左右されかねません。社会教育行政がゆがめられかねず、認めることはできません。
 第三に、実包の管理状況の実態について検証できないままに、指定管理鳥獣捕獲等事業の従事者が一定数量の火薬類を公安委員会の許可なく譲り受けることを可能にすることは、国民の平穏な生活や安全を脅かしかねないことです。
 無許可譲受け量上限は内閣府令で定められることになっていますが、実態が検証不能なまま規制緩和を政府に白紙委任することはできません。
 最後に、今回も多岐にわたる法案を一括法案として提出されていますが、これでは十分な審議は行えません。個々の法案は所管の委員会で審議すべきであり、一括法案というやり方は改めるべきであるということを申し上げ、反対討論を終わります。