宣伝中、「お前のこと嫌いじゃ!」とおもむろに近寄ってきた男性から言われました。理由を訊ねると「向かいのビルでマッサージをうけてたらお前の声がずっと聞こえてたんじゃ!」と、とてもご立腹の様子。「リラックスされていたところ失礼しました。音量を絞ります。すみませんでした」とお詫びすると「音の問題とちゃうねん!中身に腹が立ってんねん!」とその方は言われたのです。
「お前、アメリカとの軍事同盟を批判しとったやろ!それが腹立つんじゃ!中国とか北朝鮮と戦うためにはアメリカと手を組まんとあかんに決まっとるやろ!」とのご主張でした。私は自衛隊と米軍の指揮・統制の強化が日本の専守防衛を逸脱し、いかに日本に戦争の危険をもたらすものかを説明しました。
さらにその方は「お前も政治家やったら憲法9条変えろや!9条があるから中国に舐められとんのや!」と言われたので、9条こそが海外での武力行使を固く禁じ、日本が戦争に参加せず平和を守ってきたことをお伝えしようとしたところ、「9条に何が書いてるか知っとんのか!」と遮られたので、ここですかさず9条を暗唱。
そして、日本共産党が個別的自衛権まで否定しておらず、万が一他国から窮迫不正の侵害を受けた場合には日本としてあらゆる手段を用いて生命・財産・領土を守るために力を尽くすことは当然ですとお話しすると誤解がほぐれたのか、少し興奮が治ったご様子でした。
続いて尖閣諸島の問題について問われました。尖閣諸島は日本の領土であり、力による現状変更は認められないこと。一方で日本と中国は友好条約を締結しており、2008年の共同宣言では隣国としてお互い脅威にならないようにと示し合わされ、尖閣諸島の問題でも軍事的解決ではなく協議していくことを確認していることをお話ししました。
経済的にも日中両国は深い関係にあり(中国は日本の最大の貿易国です)、戦争を避けるための外交努力の強化こそ必要だという日本共産党の考えをお伝えしました。
それでも軍事力の増大は必要だと言われたので、今回の軍備増強は日本防衛のためではなくアメリカから求められたことが背景にあり、5年後にはロシアを抜いて世界第3位の軍事費を計上しようとしていることを説明し、そのために岸田政権が大増税を企てていることを指摘。世論調査でも軍拡のための増税には反対の声が圧倒的であることについてもお話ししました。
すると今度は、北朝鮮の拉致問題をどう考えるのかと問われたので、日朝平壌宣言や6カ国協議に立ち戻ること、拉致問題と合わせ核やミサイル、侵略の歴史の清算など包括的な協議を促し、対話の場に北朝鮮を付かせる努力を周辺諸国と結束して行う必要性を説きました。
また、アベック失踪事件と称されていた問題を北朝鮮による拉致事件であると政府に認めさせたのが日本共産党であったという歴史的事実についても紹介し、日本が北朝鮮と直接対話できるルートを設けることの必要性を説きました。
ここまでお話しすると、いくらか日本共産党の立場をご理解いただけたようでした。「それやったら共産党やめて自民か維新に入ったらどうやねん。アンタが共産党である限り議員にはなられへんで」と言われたので、確かに日本共産党を嫌いだという方はたくさんいらっしゃいます。しかし102年の歴史を持ち清潔な力で節を曲げずに頑張る共産党だからこそ支持してくれる方もおられるんですよと返しますと、「当選できなんだら意味ないがな」とおっしゃられたので、私が大阪市議一期、衆院議員二期つとめたことを紹介。すると「やっぱり先生は共産党やめた方がええで」と。
またお話ししましょうと私から名刺を差し出すと、初めは拒否されましたが最後は受け取ってくださいました。お前→アンタ→先生と呼称が変化していったのが特徴的でした(もちろん日本共産党には『先生』などおりませんしそのように呼ばれて喜ぶひともおりませんが)。
対話することの大切さを実感したところです。長文失礼しました。