【二重行政解消という幻想について】
宣伝中に「二重行政をなくすために都構想は必要」と語る女性がおられました。しかし、大阪市を廃止しなければ解消することのできない二重行政など存在しません。過去の府市それぞれの巨大開発の失敗はバブルに踊らされた首長と議会の問題です。二重行政解消という幻想を打ち破れば情勢は変わります。
維新の会が「二重行政解消」の象徴としてよく例えるのが市のWTCビルと府のゲートタワービルの開発失敗です。府と市が高さを競い合ったともっぱら批判しています。しかし、どちらか片方だけなら良かったかと言えば決してそうではありません。例えば、大阪市廃止後の4つの特別区が巨大開発を競い合えば、同様の失敗は繰り返されます(まぁ、そんな財源も権限も残りませんが)。要は行政の中身の問題であり、政令指定都市を廃止する必要などないのです。
また、その時々の有権者が選ぶ首長によって、都道府県の知事と市長の意見が必ずしも一致しないことは、むしろ民主主義の健全性を証明していると思います。将来、知事と市長が違う方向を向けば二重行政になるから「都構想」だというなら、すべての政令指定都市は廃止しなければならないことになります。
大阪市廃止により、権限と財源が府に移譲され、大阪市民は住民サービスの低下を招くリスクを負います。だからこそ住民投票で賛否分を問うのです。中核市が政令指定都市になる場合には住民投票はありません。
大阪市という政令指定都市を廃止することによって、今の大阪市民はどれだけのリスクを負うのか、その内容を具体的に知らせていくことが大切です。反対票の押し付けではなく、冷静に判断していただける材料を提供する、そんな思いで訴えています。
また、「反対派には対案がない」というフレーズが賛成派からよく出されます。しかし、そもそも嫌なことを押し付けられるのに対案が必要でしょうか。嫌なものは嫌だと言えば済むことです。住民投票の選択肢は大阪市の廃止に「賛成」か「反対」かのどちらかであり、「都構想」の対案を求めるものではありません。あえて言うなら「廃止」の対案は「存続」です。もちろん私たちは大阪市を守り、市民本位に発展させることを展望を示していきます。
27日は午前に城東区でマイクを握り、午後からは福島区で宣伝・対話に取り組みました。明日以降も頑張ります。(2020/9/27記)