11月30日、NPO法人監獄人権センターの創立20周年のレセプションに参加させていただきました。
罪を犯した受刑者にも人権が保障されるのは当然です。人間として尊重されなくてはなりませんし、そのことがしっかりとした更生にもつながると言えます。
しかし、実際にはその保障が十分行き届いているとは言えません。例えば、耐震基準を満たさない受刑施設がまだ多く残されています。また、冷暖房施設がなく、今年の夏も受刑者が熱中症で死亡する事故が起こっています。受刑者だから被害を受けよう知ったことではない、という考え方がもしも残されているとしたら大問題です。
塀の中は非常に閉ざされた社会であり、国民的関心も決して高いとは言えません。しかし、不当な扱いを放置することが許されないことは確かです。冤罪や違法な取調べがなくならない中、私たち国民が刑事司法をしっかりと監視していくことが求められているのではないでしょうか。
「明治五大監獄」と呼ばれ、歴史的建造物でもある奈良少年刑務所で、少年たちの矯正プログラムに関わってきた作家の寮美千子さんともご挨拶させていただきました。ちょうど、少年たちのつづった詩集を紹介した「空が青いから白をえらんだのです」を読み始めていたところでしたので、感激しました。ぜひ授業風景を見学しにきてほしいとも言われました。
いま、成人年齢を18歳に引き下げて、18・19歳の少年に大人と同じ刑事処分を科そうという動きがありますが、この詩集を読む限り、精神的に未熟で、純粋さを持ち、教育によって十分更生できる可能性を秘めている彼らから、そうした機会を奪い去ることにはとうてい賛成できません。
レセプションのスペシャルゲストとして、歌手の大島花子さんのステージがありました。父である坂本九さんの代表作「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん夜の星を」などを手話を交えて披露してくださいました。
今週は法務委員会でも閉会中審査が開かれる見通しとなっています。引き続きしっかりと質疑していきたいと決意を新たにすることができました。