来年予算案では、消費税収入を21.7兆円と見込んでいるのに、法人税はその約半分の12.1兆円です。グラフを見ても明らかなように、法人税収入はこの4年間ほぼ横ばいです。
「これでも法人税をしっかり確保してきていると言えるのか」と問うたのに対し、麻生大臣は「課税ベースを拡大してきた」などと述べるだけで正面から答えません。ならばと遠山清彦副大臣(公明党)に答弁を求めると、「大臣と違う答弁はできないが」と前置きしつつ、「確保できている」と明言しました。
私は、資本金10億円以上の企業の税引き前純利益が2009年度の12.6兆円から2018年度には47.9兆円と見込んで3.8倍にも伸びているにもかかわらず、法人税収入が増えていないことを資料を突き付け、「課税ベースを拡大したのになぜ法人税は増えないのか」と批判しました。
大企業の利益が増えても法人税収入が増えない理由には、大企業優遇税制があります。財務省作成の資本金階級別法人税の状況資料によると、資本金100億円以上の大企業の法人税負担割合が最も小さいことが分かりました。
これは、租税特別措置や、受取配当金等益金不算入、外国子会社配当等益金不算入などの割合が、中止企業に比べて多く、それだけ恩恵を受けていることによります。そのため、23.4%の法人税率に対して、大企業は13.0%しか法人税を納めなくていいのです。
政府はこれまで、日本の法人税は先進諸外国に比べても高いと言って、財界の求めに応じる形で下げ続けてきました。私は、諸外国の大企業の実際の負担割合と比べてどうなのかと質問しましたが、財務省主税局長は、「データがなく制度も異なるため同じ基準で判断することは困難」と答弁。日本の法人税が諸外国と比べて高かったということを根拠を持って説明することはできなかったのです。
このようないびつな税収構造を放置すればどうなるのか。財政再建などできるはずもなく、税収不足はさらなる消費税増税で補うという「悪魔の道」に行かざるを得ません。
私はこの質問の最後に、大企業に対する優遇税制をただし、負担能力に応じた法人税を確保すること、そして消費税を5%に戻すことを強く求めました。 (2020/2/15記)