活動報告

【人が果たす役割軽視するな】

[活動報告]2020/04/09 更新

AIやビッグデータなどの先端技術を活用した様々な事業を、官邸主導の規制緩和で実現する「スーパーシティ」構想を実現する国家戦略特区法案の質疑が7日、地方創生特別委員会で行われました。

スーパーシティで実装実験される自動運転やドローンによる物資の運搬、往診を必要としない遠隔診療など、便利さの裏には必ず安全・安心に対する不安が伴います。個人情報保護もそのひとつです。

この日の質疑では、個人情報が本人の同意なく収集されたり、政治的志向による特定グループを割り出したりすることも可能になることが明らかになりました。

行政にAIやデータを用いるスマートシティの試みをめぐっては、カナダのトロント市で個人情報の保護を求めて住民が訴訟を提起したり、米カリフォルニア州サンフランシスコ市では顔認証システムの使用を禁止する条例が可決したりするなど問題になってきました。本法案では住民合意の規定も極めて不透明です。

今回、世界的に新型コロナウイルスが拡大する中で、医療従事者が献身的に対応しておられる実態を見ても、やはり人が果たしている役割が重要であることは言うまでもありません。そこを見失っては絶対に駄目です。議論はまだまだ尽きておらず、拙速な採決は大問題です。(2020/4/8記)