【民間空襲被害者を救済せよ】
日本政府はこれまで、軍人やその遺族には累積60兆円もの恩給や年金を支給してきましたが、民間の空襲被害者に対しては国との雇用関係がなかったとして、原爆被害を除き一円も補償してきませんでした。
しかし、当時は空襲から逃げると処罰される「防空法」があり、多くの民間人が逃げることさえ許されず、焼夷弾などの被害に遭ったのです。空襲や艦砲射撃により命を奪われたひと、怪我をしたり、障害を負ったりしたひとは50万人にものぼります。
ドイツやイギリスなどでは軍人も民間人も平等に援護しています。7日、猛暑の中、全国空襲被害者連絡協議会のみなさんが救済法の成立を求めて官邸前の宣伝を行い、私も参加して激励させていただきました。
超党派の空襲議連が提案している法律案では、空襲などで障害を負った方に対する慰藉料は、一時金としてわずか50万円のみです。あまりにも安すぎます。これでは義足も買えないと、当事者が憤りを隠さないのは当然のことだと思います。
空襲議連の副会長である、共産党の笠井亮衆議院議員も、「当事者の思いも含めて、50万円という金額についてもさらに議論して結論を出すべきだろう」と今年6月の総会で述べています。
それでも、協議会のみなさんが救済法の制定を早期に求めているのは、被害者が存命のうちに国に謝ってほしい、責任を認めてほしいと願いっているからです。まさしく救済法制定が人権と民主主義の問題だと考えておられるからだと思います。
旧優生保護法により強制不妊治療を受けた方々に対して救済法が制定されました。その金額については様々な意見があるものの、一人当たり320万円の一時金が支払われることになりました。政府としてもお詫びの声明を発表しています。
国は今こそ道義的責任を果たすべきではないでしょうか。国会議員一人ひとりの態度も問われていると思います。