建設現場の安全確保を
建設業を敬遠する理由としてあげられるのが「きつい・危険・給料が安い」の3Kとの調査があります。
建設業法及び入札契約法の改定案は、著しく短い工期での請負契約を禁止することが目玉となっています。新名神高速道路の高槻〜神戸間の工事では、6名もの尊い命が事故により失われました。工期が2年前倒しされたことと無関係ではないと思います。
私が法案審議の際、適正な工期を確保することによって建設労働者の安全を守ることにつながるのだなと確認したところ、石井国土交通大臣は、「労働災害を防止するなど、現場の安全確保にも寄与する」と答弁しました。これまで工期と安全性の因果関係をなかなか認めてこなかっただけに、政府の認識が一歩進んだことになります。
また法案では、労務費の支払いについては手形ではなく現金払いとするよう記されましたが、法定福利費や安全衛生経費が下請けまで確実に支払われなくては賃上げにつながりません。
三次下請けでは約4割しか法定福利費を満額受け取ることができていない現状を指摘し、国土交通省として一歩踏み出した取り組みを求めました。それぞれ実態把握を踏まえて適切に支払われるような施策の検討を進めたいと、土地・建設産業局長が答えました。
新国立競技場の建設現場で過労死が発生したことについてもスポーツ庁に確認しました。亡くなった男性が従事していた土地改良工事は地中障害が見つかったために、当初の工期が二ヶ月延長されましたが、報道によるとそれでも完工は10日も遅れたのです。無理な工期だったのではないかと疑わざるを得ません。
国土交通省が主体的に請負契約をチェックすること。せめて、新名神高速道路や、新国立競技場など、入札契約法が適用される公共工事については、必ず事前に精査するべきだと要望しました。
なお、この日の夜には、建設職人基本法「入魂の集い」が都内で開かれ、穀田恵二国対委員長、もとむら伸子衆議院議員とともに参加しました。今でも年間1000人近い建設労働者が転落事故に見舞われています。公民問わず、建設現場において足場を組む際、手摺付きのものにすることを義務化してほしいという、みなさんの要望は当然のことだと思います。超党派で取り組むべき課題です。
引き続き、建設業が若い人たちにとっても魅力ある産業となるように力を尽くします。(5月22日)