運輸業界の違法行為取り締まれ
7日の衆議院国土交通委員会では、トラック運転手の処遇改善について国交省と厚労省に改善と指導を求める質問を行いました。
大阪市で海運業を営む東和海陸運輸株式会社の給与明細書には、時間外手当の項目がありません。すべて「奨励手当」の中に含まれるとのことですが、この会社の賃金規定には、実際の時間外勤務が奨励手当を超えた場合は、別途不足分の賃金を支払うと定めているのです。ならば、会社側は労働者の労働時間について管理する必要があります。ところが、給与明細には労働時間が記載されておらず、賃金台帳の閲覧を求めても会社は拒否し続けているのです。
「奨励手当」を隠れ蓑にして、残業代の支払いを逃れるようなことがあってはなりません。私の追及に厚生労働省は個別の事案には答えられないとしながらも、固定残業代を上回る時間外労働について賃金を支払わない会社については、厳しく確認して指導していくと答弁しました。
また、枚方市にある豊田通商株式会社では、運転手が記録する運転日報(乗務記録)について、鉛筆で記入することを強要していることを告発しました。運転日報は運転者の運行記録や健康管理のために必要であり、改ざんすれば会社は行政処分を受けます。国交省は、ボールペンなら消すことができず改ざんの防止になると述べました。
また、同じ会社が、有給休暇を取得した際、固定残業代から給与を減額している問題についても質問。厚労省は、固定残業代から有給休暇取得分を差し引くことは労働基準法第24条の問題が生じると明確に答弁しました。
石井啓一国土交通大臣は、運輸業界において将来の担い手を確保するためにも労働条件の向上が必要だと述べました。であるならば、過労死するまで残業を認めるような働かせ方を認めるのではなく、自動車運転者のための改善基準告示を法制化するなどの措置をとることが必要です。運輸労働者の処遇を改善するためにも、長時間労働の是正と賃金の搾取を許さないための取り組み強化を求めました。