活動報告

北海道の鉄路の状況を視察・・・その②

[活動報告]2016/12/27 更新

調査二日目。22日は、JR北海道本社へ赴き今後の事業計画の方向性について聞き取りを行いました。JR北海道は、単独で維持することが困難な線区では地元自治体に財政的支援を求めたいとしていますが、結局は路線の廃止とバスへの転換という結論ありきの考え方だと言えます。分割民営化の綻びが明確に表れていると思います。

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畠山和也衆議院議員も、「地元の町長らが一方的だと言って批判しているにもかかわらず、日高線の鵡川〜様似間の廃止を宣言することは認められず抗議したい。事業範囲の縮小計画についてはいったん撤回するべきだ」と述べました。

JR北海道からは、「現在は貯蓄を取り崩して赤字分を補填している状態。やがてそれも枯渇する。地元自治体の財政的支援や、バスへの転換など、地域に応じた持続可能な事業にしていきたい」などと回答がありました。

次に国労北海道本部を訪ね、労働者の視点から今度の事業範囲の縮小方針や職場の安全対策の実情などについてどう分析しておられるのか、様々な角度から懇談させていただきました。

画像に含まれている可能性があるもの:4人、座ってる(複数の人)、テーブル、室内

他のJR会社に比べても北海道は賃金が低く、若者にとって魅力ある職場でなくなってきているとのこと。JR北海道が発足する際に積まれた経営安定化基金の利回りだけではもはや赤字分を穴埋めできず、不採算路線を廃止もやむなしとしている現状では、公共交通機関としての役割を果たせているとは言えないとも。分割民営化を総括し、JR各社間の格差問題について解決することも必要ではないかとのお話もありました。

北海道庁では、交通政策局長らから聞き取りを行いました。道は有識者らによるワーキングチームをつくり、鉄道ネットワーク網のあり方について来年1月末までに提言をまとめたいとしていますが、線区維持のために財政的な支援は出来ないとしています。ならば、JR北海道が、それに先んじて維持困難線区にある財政規模の乏しい自治体に対し、個別協議を持ちかけることをやめるよう申し入れるべきだと指摘しました。

画像に含まれている可能性があるもの:空、テーブル、木、屋外

最後は北海道庁記者クラブにて、調査チームの記者会見を行いました。もともと国鉄は国民共有の財産でした。それが今はJR東海が莫大な利益を上げ、赤字必至のリニア建設に暴走している一方で、JR北海道は採算路線が皆無となり廃線計画を打ち出しています。これで本当にいいのでしょうか。

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分割民営化の功罪をあらためて検証し、公共交通維持の為に従来のスキームを超えた政策が政府に求められていると思います。今回の視察で学んだことを、これからの国会活動にしっかりいかしていきます。