活動報告

建設労働者に若い頃を重ねて・・・

[活動報告]2015/12/09 更新

12月8日、全国建設労働組合総連合のみなさんから地域建設産業の再生に関する要望を受けた。国勢調査(2010年)によれば、建設業で働く人は447万人となり、10年前の調査から180万人以上も減少しているとのこと。特に29歳までの若年層が大幅に減少しており、今後、建設業で技術・技能の継承ができるのかが深刻な問題となっているというのだ。

自分が二十歳のころ、短期間だが現場作業のアルバイトをしたことがある。砕石を山盛りに積んだ一輪車の扱いに苦心し、思い通りに操れなかったことが苦い思い出として残っているが、年の変わらない若い職人がユンボを巧みに操る様子を見て「かっこいいなあ」と憧れたものだ。がむしゃらに働けば食べていける、家族を養える。そんな確信が当時はみんなにあったのだと思う。今はそう単純ではない。モチベーションだけでは食えなくなった。

労働者不足の主な原因は重層的下請け構造の歪みにある。元請けから末端労働者まで幾重にも下請けが入る生産体系では、賃金や単価がどんどん減額されてしまう。安ければいい、使い捨てでいいという概念が、低賃金と劣悪な労働環境を蔓延させてきたのだ。政府は建設労働者の不足を補うために「技能実習」という体裁で外国人を就労させる要件を拡大してきた。これでいいのだろうか。

若者が意欲と展望を持って建設現場で働くことのできる社会にするために何が必要なのかは、全建総連のみなさんの要望をみれば極めて具体的だ。あとは政治がやるかやらないか。自分自身、そのモチベーションだけは持ち続けたいものだ。